おねがい

七夕だった。でも、笹の葉にお願いごとをつるすことも、何か特別なお願いをすることも、なかった。

毎日があっという間に過ぎてしまって、1日1日を大切にすることができない。笑って欲しい。

 

少し離れた土地にいる恋人が、先週1週間、こちらに帰ってきた(帰る、という表現はおかしいのだけれど)。彼の友達や、こちらで済まさなければならない用事もいくつかあって、一緒にいられるのはもっぱら眠る時だったけれど、それでも家に帰ったときすでに彼がいたり、今か今かと彼の帰りを待つのは、同棲しているみたいで、良かった。とても愛おしかった。

 

来年は戻ってきて、そしたら今よりは一緒にいられるのかなと思うと、嬉しくてそれだけで涙がにじむ。よく人に、遠距離はつらくないかと聞かれるけれど、つらいし、たまにひとりで泣いている。浮気したくならないかと聞かれてもわらうしかない。喧嘩も、別れ話もしたことはない。会えたとき、お互いにそれをただただ喜んで、離れるときは次会うときのことを考える。次会うのが楽しみだねと笑うので、わたしもそうだねと言う。それだけだ。