プールのにおい

プールで1時間ほど、泳ぐのを習慣化させようと目論んでいる。今日も、唯一あった授業が休講になったので昼から市民プールで泳いだ。家から市民プールまで約3キロあるのだが、結構な坂を越えなければいけないので行くだけでかなりの運動になる。30分くらいかけて行って、1時間泳いで、また30分かけて帰る。近道がありそうなので、今度は別のルートから行こうと思う。

市民プールへ行ったのは中学ぶりで、泳ぐのも高1の夏、授業で泳いだぶりだった。学校の屋外にあるプールは、屋外にあるというだけで汚く思えた(実際、隅の方には藻のようなものが浮いていたし、授業のないときはカラスが水浴びしていたので、相当汚かった)。またさして泳ぐのが得意でないわたしは水泳の授業は三本指に入るくらい嫌いだった。水泳の授業の後は決まって眠くなるし、十分に乾かず中途半端に濡れた髪がほおや首にはりつくのは考えるだけで憂鬱になる。泳いでみても気持ちいいとは思えないし、水着姿を他人に見られるのも恥ずかしかった。

学校の授業では中学も高校も25メートル泳げなかったが、市民プールで泳ぐとすんなり25メートルを泳ぎきることができた。久しぶりの水中も、陽がきらきらとして心地よく、ゆれる水面がきれいだった。少し感動さえした。

蹴伸びでゆったりと波にゆられたり、クロールで全身を動かしたり、10年ぶりにビート板を使って平泳ぎの足の練習をしたりした。1時間も経てば心地よい疲れが全身を包み、熱いシャワーを浴びて、また30分かけて帰った。

家で全身を石鹸で洗って湯船につかっても、腕に鼻を近づけて嗅いでみるとプールのにおいがする。塩素の体に悪そうなにおいがする。

プールで泳いでいる想像をする。水面が揺れている。光が射している。