ひとりで生きて

今週、実家に帰る。後期から、大学まで片道2時間かけて通うことになった。面倒だけれど、惜しい気がするけれど、まあ、なんでもいいか、と思っている。生活が少しは楽になるかもしれない。定期も欲しかった。

 一人暮らしを始めてから、体重がずっと増え続けていて、いろんな人に健康的になったと言われるけれど、わたしは最初の頃の体型が良かったなと思っている。実家に帰れば自然と体重も落ちるだろう。

実家に帰れば救われるだろう、彼が帰って来たら楽になるだろう、部活を辞めれば夜も眠れるようになるだろう。いろいろなものを捨てて安らぎを手に入れようともがいている。本当に、大丈夫。

 

悲しくなっちゃった? と聞いてきた彼は、少しだけ笑っている。アパートから見える夕空が綺麗だと思った。絵の具で重ね塗りしたようにぼやけた色をしていた。泣いているのが、彼がいなくなってしまうからなのか、自分の情けなさなのかわからない。そばにいてほしかった。わがままでしかなかった。いつか捨てられると思っていた。それが今でも納得できると思っていた。ひとりで生きていけないような弱い奴じゃないと、ずっとずっと信じていた。

 

楽しいことは確かにあった。自分を必要としてくれる人もいた。洗濯物も干せるし、掃除も少しずつならできる。洗い物は溜めてしまうけれど、自炊も、頑張っている。できていることを考えて、自分で自分の機嫌をとって、さみしくなったらぬいぐるみを抱いて、andymoriを聴いて、目を閉じる。

 

昔できていたことが、最近はできなくなっていて、うまく生きられなくて、不安で、胸が熱くて、息苦しくて、もうずっと閉じこもっていたくなる。でも、本を読むために図書館に行くし、音楽を聴くためにCDショップまで歩くし、生きるために少しずつ、泣いている。

 

ひとりで生きて、ひとりで死ぬのか、誰かと生きて、誰かと死ぬのか、誰かと生きて、ひとりで死ぬのか、わからないけど、わからないから。